ねえ、

別れ

運命の日

「俺さ、好きなやつできた。」

突然目の前に居る彼氏
大杉隼からの言葉に戸惑う。

あたしの名前は
葉向優未。高校2年生。

「え？それ、どういう…」
「だからさ、好きなやつできた。
　正直お前といても楽しくねえし
　そいつのほうがずっといいかなって。」
「あ、ありえない…そんな…あんまりだよ」
「悪い…。」
「最低…隼なんか…もういい！帰る！」

そのまま一緒にいた店を飛び出す私。
追いかけて来てくれる気配も全くない。

隼とは中1の時に出逢い、あたしの一目惚れ。
大きな瞳に少し茶色がかった長めの髪。
背は高いわけではないが
胸板が厚くて男らしい感じ。
あたしの【理想の男子】にぴったりだった。
明るくいわゆる盛り上げ役だった隼は
みんなから好かれていた。

中2の体育祭が終わり、少し余裕が出てきたとき、
友達に背中を押され告白。
「俺も前から気になってた。」
顔を赤らめていう隼の言葉に
どれだけ嬉しいと思ったことか。
それからの日々は、毎日が楽しかった。
必ずするメール、電話。
いつも一緒に登下校。
夢みたいな日々だった。
「一緒の高校に行こうな。」
そういったのも隼だった。
なのに、なのに。

そして、2人とも同じ学校に進学。
クラスは離れたけど、それでも
いつも一緒にいた。
土日は隼の部活があるから
夜、近くの公園で会っていた。
そんな幸せな日々のや先
このありさま。

あたしは涙が止まらなかった。

（なんで？あたしは隼が好きなのに…）