my First boy last boy.
「…ねぇ、この会社ってなんの会社なの?」
「ああ。言ってなかったっけ?
貿易関係の仕事だよ。物資等を輸入したり、輸出したり。だから、交渉がとても大事なんだ」
へー。
そう話す海斗が、いつもと違う人に見えた。
ちゃんと社長なんだなぁ、と実感させられて…海斗がいつもより遠く感じた。
寂しい…そう思ってしまった。
自分は場違いなところに来てしまったのではないか?
今更になって、思い始める。自分なんかが来て良かったのか。
どんどんマイナスな気持ちが、水面のように広がって……。
だから、海斗の腕を掴んでしまった。
ここは、彼の会社内なのに。
でも、彼は嫌な顔ひとつせず、どうした?と聞いてくる。