my First boy last boy.
いつのまにか、隣に居た海斗があたしの肩に手を回しながら。
「羨ましいだろ?」
勝ち誇ったような笑みを浮かべてくる。
悔しい…しかし。
「うん」
素直に頷いてしまう程、この景色は美しい。
まるで、海を独り占めしているかのよう。
海斗にそう言ったら。
「そうかもな」と笑った。
「こんなに素敵な眺めの場所で仕事できるのに、サボってばっかで勿体ない」
あたしがぽつり呟くと、ずっと見てたら他の景色も見たくなるんだよ、と贅沢なことを言っていた。
「ぜいたくー」
と、罵ると彼は言った。
「凪砂も将来そうなるよ?」
にっこり、何か企むような笑みで。
「…え?」
意味が理解出来なくて、聞き返すと…。
「この景色のように、凪砂も独り占めする予定だからね」
にっこり、さもあっさり当たり前のように。