my First boy last boy.
「残念だなぁ」
ぽつりと呟いたその声、たいして残念とも思ってなさそうに手を横にやる身振りは、なんだか日本人離れしている、と思った。
ポーカーフェイスも常に崩れないし。軽薄そうな所も。
笑う顔を見ても、なにを考えているのか、まったくわからない。
…あまり、関わり合いたくはない人間だ。
さっさと、ここから立ち去ろうと思った。
「…あたし、電車なんで…」
時計を気にした振りをして。
逃げるように歩きだしたあたしの腕を、彼はひょいっと簡単に捕まえてしまった。
「偶然が何度も重なると…それは運命になるんだよ」
え、と囁くように言った彼に、思わず振り返ってしまった。