my First boy last boy.
やっぱり。
今だに、海斗が社長なんて…不思議だ。
どうしてなれたんだろう?
「…しあわせに、なりなさいよ?」
ぽつりと、落とすように呟いた。
不安そうな瞳を湛えて…。
「ぜったい…絶対よ!」
しかし、強い意志を秘めて。
あたしはただいつものように心配して、言っていると思って、「うん、ありがとう」と笑って言った。
寂しそうな瞳を、隠していたことに。
あたしは気付かなかった…。
あの頃に、囚われていたのは―――あたしだけではなかったのかもしれない。
─―…思わぬことがあった。
『もしもし凪砂っ?』
明るく、弾けるような声。
…それは、真里からの電話だった。