my First boy last boy.
キミがすき
『ねぇ、凪砂って春くんが好きなの?』
前触れもなく、ある日突然真里に尋ねられた。
秋ちゃんのこと以来、あたしはそこまで春を嫌いじゃなくなっていて。
でも、変わらず口喧嘩ばかりしていた。
居心地がよかったんだ、その関係が。
けど。
『…好きじゃないよ』
あたしはまだ、秋ちゃんが好きだから。
『本当?よかったぁ!』
そう声を上げ、弾ける笑顔を見せたかと思うと。真里は。
『凪砂、あたしね……?』
――――春が好きだと言った。
そして、あたしに協力して欲しいと。
驚いた。全然そんなこと、気付かなくて…でも。
『――…いいよ。』
あたしは、頷いた。