my First boy last boy.
「でも、ビターチョコとかなら食べられるんだよねぇ」
にっこり。笑顔を向けられ、その笑顔がなんの意味を指しているか、すぐに分かってしまった。
「はい。…おいしい?」
「ん〜、そこまで甘くなくていい」
その感想はどうよ。と内心ツッコミを入れながら、しょうがないかと思い。
今、海斗にもこのビターチョコ味が広がってるのか、とか当たり前のことをなぜか考える。
あたしには…ちょっと苦い…。同じ味なのに、思うことは正反対だ。
「トラウマなんだよねー」
ぽつり、呟いた海斗にはっとする。現実に引き戻されたよう。
「…トラウマ?」
「そ。第一次バレンタイン対戦の恐怖」
「あはは!なにそれ?」
変なネーミングをつける海斗に、思わず笑ってしまった。
「いや、これ真剣だからな?」
そう言って話し始めた小学生のときの話。