my First boy last boy.





秋ちゃんにしがみついていた腕をそっと外して。

目を合わせて…。




「…どうしたの?」


震えながらも、聞かずにはいられなかった。




そしたら、秋ちゃんは苦しげに、笑った。






「…彼女と、別れた。」と。


今にも消えそうな声が、あたしの耳に届いた……。





不意にいつか見た、


秋ちゃんの彼女へ向ける笑顔が、あたしの頭に思い起こされて。




溜まらなく、泣きそうになった。


本当に泣きたいのは、あたしじゃないのに…。





…大好きだったの?

そんなこと、聞かなくたって表情でわかる。



こんな苦しそうな顔も、初めてだ。





不思議だね…。



あの駅のときは、彼女に向けたあなたの笑顔に泣いたのに。


今は、彼女のせいで無くなったあなたの笑顔に、悲しんでる。





< 155 / 469 >

この作品をシェア

pagetop