my First boy last boy.





そういいたいのに、

どうしてもいわなきゃいけないのに、


涙が喉に詰まって、ヒッて小さな鳴咽にしかならなかった。





「…は、る……」


「あいつがまだ好きだったなら、そう言ってくれればよかったのに……」



枯れそうなほど、切ない声だった。





もう暦では春なのに、桜の蕾が付きはじめていたのに。

凍えるように、心が冷たい。




ねぇ…どうして、こうなったの。



涙さえ、もう止まってしまった。




「…それなら、人の気持ち、振り回すなよ…!」



ガチャン!と、春の手から飛んだ箱が錆び付いた門にぶつかった。




< 169 / 469 >

この作品をシェア

pagetop