my First boy last boy.




なんだかんだ言っても、あの会社が好きなんだと思う。


だって、そうじゃなきゃ、社長なんて重い仕事、投げ出したくなるよ。…まあ、サボってばかりだけど。



海斗は、所謂お金持ちのお坊ちゃんだ。それを聞いたとき、驚いたものの、やっぱりな、となんとなく思っていた。

妙に紳士的なところ、育ちのよさが端々から伺えたし、若いのに社長をしていること。納得がいく。


だから会社の社長も、自発的にやっているわけではなく、跡を継がせられただけ。

だけど、彼はお飾りの社長では決してない。ちゃんと、見合った実力を兼ね備えている。そうじゃなきゃ、あんなに社員から慕われることも、付いてくる人もいないだろう。



むかつく位、素敵な人だと思う。そんな人に、あたしはプロポーズされたのかと思うと、やっぱり嘘ではないかと思う。



…けれど。あたしの薬指に光るモノが、本当なのだと教えてくれる。




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