my First boy last boy.
「おー、どーしたー?」
黒い折り畳みケータイを、耳に当てながら、それに向かって話す。
「んー?うるさくて聞こえねぇって」
電車の向こうは飲み会中か?なんて想像しながら、喋る度振動でゆらゆらと揺れる、ストラップが目に入った。
「終わったけど?
まぢ?おー行く行く!」
ぱちん、と閉じられたケータイ。
「これから呑むの?」
「はい、なんか奢りらしいんで」
にやりと、ちょっと悪どい顔。
時計を見れば、10時を回っている。8時半閉店だが、今日は片付けに時間が掛かってしまった。
こんな時間から行くなんて、やっぱり若い。
「呑み過ぎないようにねー」
「気をつけまっす」