my First boy last boy.
やっぱり、お花見の名所なだけあると思う。
「桜は、やっぱり日本の風物詩だな」
まるであたしの心を読んだかのような言葉。
今、思っていたことだった。
「そうだね」
春に桜がなきゃ、春じゃないし。
………だけど、
…どうしてか、見てると切ない気持ちにもなるの…。
それは、あたしだけかな?
「でも、夜の桜はなんだか寂しいね…」
ひらひらと、また花びらが落ちていく。
どんどん、ピンクがなくなっていって、春が終わる……。
くすっと。
突然海斗が笑う。
なにかと思って、横にいる海斗を見上げた。
「…凪砂、桜が頭についてる」
「えっ、ほんと?」
ストップ、といってあたしを静止させ、頭についていたらしい桜を取ってくれた。