my First boy last boy.
ぐっと引き出しが引っ掛かって…。
恐る恐る出してみたら……。
2年間分の思い出と…閉まっておいた箱が出てきた。
その写真には、いっつも春が映っていた………。
春の遠足、意外なことに君は絶叫系が苦手で。あたしは馬鹿にしながら面白がって、嫌がる君を無理矢理乗せた。
体育祭、1年生で春は一番盛り上がるリレーの選手に選ばれて、なんと5人抜き。それからパスが回っても1位を守り抜いて優勝。あたしは思わず泣いてしまった。
文化祭、たこ焼き屋さん。最初はちゃんとやっていたはずなのに、途中からどっちが上手く作れるか対決に変わってた。
修学旅行…君との関係が友達から、恋人に変わった瞬間――…。
気づいたら、お気に入りの絨毯を涙で濡らしていた…。
君は、いつだって隣にいた。
この2年間のあたしにとっての、『筒井 春』という存在の大きさを思い知った。
本当に、このまま終わらせるのか。
本当に、このままでいいのか。
どこからか、問い掛けてくる。
このまま、卒業しちゃってもいいの?
写真のあたしたちはいつも笑顔だった。
この頃に戻れたら……。
そっと、今まで開けられることのなかった箱に、手を掛けた。