my First boy last boy.





「も、もしもしっ…!」


「…誰?」



……やっぱり、さすがに消してたよね…?


もしかしたら消さないでいてくれたのかも…って期待して、バカみたいだ。




「酒井、凪砂です…」



フルネームなんていっちゃって、馬鹿だあたし。



「…ん、なに?」


拒否されるかもって思ってたけど、聞いてくれるみたいでとりあえずホッとした。



緊張で鳴り止まない胸を押さえて、精一杯の気持ちを振り絞った。



「……明日、卒業式が終わったら、会いたい…」



きっと、一生分の勇気だったよ。




「………………」


春は、無言のままだった。

だけど、それならそれで都合が良かった。




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