my First boy last boy.
みず色の桜
卒業式当日。
ぱっ、と目が覚めた。珍しく目覚めのよい、朝だった。
3年間、毎日着飽きるほど着ていたこの制服ももう着れなくなるのか。
そう思ったら、急に名残惜しくなりながら、袖に腕を通した。
入学式のときは、パリッと固くて着にくく、見慣れなかったのに。
鏡に映ったあたしの姿は、あの頃と違って制服がぴたりと馴染んでいた。
チェックのスカートに、スカートの柄と同じリボン。
しっかりと付けて、よし!と叫んだ。
「凪砂~!」
見慣れた人達、見慣れたクラス、見慣れた友人達。
明日からもう、そうじゃなくなる…。
そう思ったら、今からちょっと、寂しくなった。