my First boy last boy.

みず色の桜





卒業式当日。


ぱっ、と目が覚めた。珍しく目覚めのよい、朝だった。



3年間、毎日着飽きるほど着ていたこの制服ももう着れなくなるのか。

そう思ったら、急に名残惜しくなりながら、袖に腕を通した。



入学式のときは、パリッと固くて着にくく、見慣れなかったのに。


鏡に映ったあたしの姿は、あの頃と違って制服がぴたりと馴染んでいた。




チェックのスカートに、スカートの柄と同じリボン。

しっかりと付けて、よし!と叫んだ。







「凪砂~!」



見慣れた人達、見慣れたクラス、見慣れた友人達。



明日からもう、そうじゃなくなる…。




そう思ったら、今からちょっと、寂しくなった。




< 236 / 469 >

この作品をシェア

pagetop