my First boy last boy.
「3年前、桜が満開に咲く中、私達はこの…」
卒業生代表の人が、答辞を読み始めた。
思い出が走馬灯のように、駆け巡る。
その記憶でも、やっぱり春がたくさんいて…。
春も今、この3年間を思い出しているんだろうか?
春は……何を思い出しているのかな?
あたしと同じ、記憶であればいいのに…。
あたしのこと、だったらいいのにな…。
…初めて出会ったあの日を、どうか思い出していてください…。
あたしの存在を消さないで……。
「…今日、この善き日に、私たちは卒業します。卒業生代表…」
そして次は、いよいよ存在証書だ。