my First boy last boy.
「わあー!ごめん、ごめんっ」
ぱっ、と解放された途端、全力で周りの空気を貪った。
「つい、ね。つい!」
つい、でやられちゃ、命がいくつあっても足りない…。
てへっとごまかす聖花に、じっと睨んで呆れつつも、久々に一緒シフトで…やっぱり嬉しい。
「久しぶり。最近新しい人、入ったからね」
先月、就活の為やめてしまった大学生の代わりだ。
「そうよねぇ〜、一緒に入ったけど、なかなかイイ感じの人だったわよ♪」
にっ、と笑う聖花にもう、と思う。彼氏いるでしょうが。
「へ〜そう」
「凪沙ノリ悪〜いっ」
この手の話題には、一切興味がないのだ。
それにしても、みんなその手の類の話が好きだな、と思う。
『運命感じない――?』
ああそういえば…とふと、例の謎の変な男のことが思い浮かんだ。
今更ながら、男のくせに、
「随分とロマンチストな奴だったな…」
運命、なんて信じちゃって。