my First boy last boy.
「ね、今日泊まってく?」
甘く低い声で耳元で囁かれると、くすぐったくて、体をくねらしてしまう。
まあ、わざとやっているんだろうけど。
「…駄目。明日は1限あるから」
そういうと、ちぇ…と落ち込んだ声に早変わりして、肩から顎を外す。
「…じゃあ急がないとなぁ」
…しない、という結論はないんだろうか。まあ、仕方ないか。
エレベーターが着いて開くと、早足であたしの手を引いて歩き出す。
決めると、即行動派だなと思う。正直…というか。
頭にはもう、それしかないのだろう。
ずんずん進んで、自分の部屋の前まで来ると、慣れたように鍵を開ける。
いっつも思うんだけど、御曹司の息子なのに、どうしてボディーガードとか居ないんだろう。
ほら、ドラマとかだとよくいるじゃん。サングラス掛けたちょっとゴツい人が。