my First boy last boy.
そうだっけ…と、秋ちゃんは記憶を巡らせているようだった。
その時は、まだ秋ちゃんが好きだった……。
フォークで、一口分を切って、口に入れる。
ほろ苦くて甘い…。
「…それで、話したいことっていうのなんだけど……」
ああ、そうだった。
ケーキですっかり忘れかけていた。
「…俺、会ったんだ」
その一言で、また一口切ろうとしていた手が止まる。
「最初、名簿で名前見たときはただ…同じ名前なだけだと思ってたんだ……でも、」
海斗に用があって会社に来たときに、会ったらしい…。
お久しぶりです、秋一さん。
そう言われた時は、驚きすぎて…数秒固まってしまった、と言う。