my First boy last boy.
「…え?」
何が……。
「…香水。つけないのか?あの香り好きだったのになぁ」
海斗は少し残念そうに呟きながら、コーヒーを口へ運ぶ。
「………もう、飽きちゃったから…」
「そっか、それなら仕方ないよな」
カタッ、とカップを置く音。
――――うん。
………もう捨てたから…。
なんだろう、こないだから、変な違和感…。
海斗がここで、いつもの席でコーヒーを飲む。
あたしはその側でそれを眺める。
聖花は接客中にあたしたちをちらりと見ては、楽しそうに笑う。
いつも通り。全部、見慣れた景色。
外でさえ、もういいよと言いたくなるような晴れ様。
最近、晴れ続きで困る。
夏だから、仕方ないのだが。
どうにも、暑すぎる…。
いつもの他愛もない光景。
いつも通り、いつも通り。