my First boy last boy.
もうすぐ、このお腹から……人一人が産まれてくるんだ。
仕組みはちゃんとわかっていても、不思議で不思議でたまらない。
「…ねぇ真里、触ってもいい?」
自分でも、気付いたら言っていた感じ。
びっくりした。
だけど真里は…嫌がるわけでもなくただとても穏やかに微笑んで。
「いいよ!」
…これが、お母さんの顔なんだろうか。
お腹にそっと手を置くと…確かに動いていた。
ちゃんと、生きてる。
それだけで、すっごく暖かい気持ちになった。
あたしも将来…好きな人の子供を産むのだろうか。
好きな人の……
「あっ!春くん!!」
ドクンッ――…
ドンッ、と真里のお腹から赤ちゃんが蹴る振動が伝わってきた。