my First boy last boy.




「…、じゃあどうして?」

海斗の方がよっぽど動揺し、いつもは見せない、警戒したような口調だ。




ちらりと、春はあたしを見た。


けれど、あたしには春の考えていることがまったく読めず、不安いっぱいの瞳で彼を見つめていたと思う。



「……社長には、言ってなかったんですけど…実は、俺たち、高校のときの同級生なんです」



だから、春が。

いともすんなり、そのことを言ってしまったことに。



「高校のときの…同級生……?」



海斗と同じように、あたしも内心、驚いていた。




「はい。…それでさっきまで、同窓会みたいなのやってて…久々に集まってたんですよ」



疑う隙を与えさせないような、微笑み。



春は、こんなに駆け引きが上手い人だったろうか。



嘘すら、まともにつけない奴だったのに……。





「…そうなのか?凪砂」


「えっ?…あ、うん…そうだよ」



今でも蚊帳の外のようだったのに、いきなり振られて驚いたが、頷いた。





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