my First boy last boy.




初めて聞いたから?


春の口から、酒井なんて…。




急に投げ出されたような…。






いつの間にか、もう春は見えなくなっていた。


……また、君が遠いものになっていく。






もう、会えないかもしれない。


メアドも知らないし。

電話番号も知らないし。




今の春に繋がる情報を、あたしは何一つ持っていない。



人を介さなければ、繋がることの出来ない距離にいるのだ。








「……凪砂」


「……、ん?」



海斗が、少しだけ遠慮がちにあたしを呼んだ。




「なんか、悪かったな」



……一瞬、間を置いてしまった。



まさか謝られるなんて…予想していなかったから、


強張っていた緊張もほぐれ、


……少し笑みが零れた。





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