my First boy last boy.
「…けど、すげー偶然だな」
ぽつりと、落とされた言葉。
海斗は笑っていた。楽しそうに。すごいって顔で。
だけどあたしは、到底笑えなかった…。
笑うなんて、出来なかった。
なんだか、予感がしたんだ――――…。
この、平和が崩れていく予感…。
「…でも、速水のあんな笑い顔初めてみたなぁ。仲、良かったのか?」
「…あ、うん、それなりに。」
「なんだよそれなりって!」
くすくすと、海斗は笑う。
逆効果だったかもしれない。
「っ、2年間、クラス同じだったし…」
慌てて、繕う言い訳。
不自然すぎて、自分で呆れてしまう。
「ふ~ん、じゃあもしかして、あいつ、お前のこと好きだったりしたかもなっ!」
途端。
心臓が、がっと掴まれたかのように震えて…。
ぎゅうぎゅうと、痛い。
苦しくて、じわりと奥からなにかが競り上がってくる…。
「………そんなわけ、ないよ。」
ああ、また…。
唇が震えているのを感じながら、奥で思う。