my First boy last boy.
驚くべき速さでお風呂を終えたあたしは、鞄を持つと、玄関へと猛ダッシュ。
しょうがない。海斗は見捨てよう。どうせいつもサボってるし。
そう理由をつけて罪悪感を拭い捨てる。
よしよし。
「凪砂、大学ってどこだったっけ?」
「あー…えっと、こっからだと……」
って………
「えっ!?」
振り替えれば、さっきの姿が嘘のように、完璧にセットされた海斗がいた。
「な、ななな…!」
………なんて、早業。
「凪砂なにしてんの?急がないとなんでしょ?」
きょとん、ってあたしの驚きに、不思議そうな顔。
……いやいや、こっちこそきょとん、です。
海斗の、“社長でいられる理由”の一面をみた気がした。