my First boy last boy.





またひとつ、幸せが逃げてった。







あ、と。




そう言えば、花梨が中学時代使っていた自転車があったじゃないか。


それを借りればいいじゃないか!なんて名案なんだ。




………だけど。



問題は、家に取りに行くこと。








どうしても、


まだ、躊躇ってしまう。






きっと理由は、―――今まで帰らなかった理由とは、違う気がするから……。






それに、家に帰るのは………海斗と一緒の時がいい。





気付けば、冷たくなっている指先に、は~っと息をかける。







じゃり――――、









なんてことのない、些細な音。





< 406 / 469 >

この作品をシェア

pagetop