my First boy last boy.
だけどあたしは、その音につられるように、顔をあげた。
「…よっ、」
なんてことのない、音なはずだったのに。
あたしは声を無くしたように、黙ってしまった。
頭がぼーっとする。
脳細胞が、現実逃避したがってる。
だけど、
なんなのか、必死に考えていた。
けど、わからなくて…。
「んな、黙んなって」
はっ、と。
その声でやっと、スイッチが入ったように動きだし、
精一杯のうん…、って声を絞り出せた。
あたしは駅を間違えたんだろうか。
一瞬そう考えたが、ちゃんと降りていたはずだ。