my First boy last boy.
「どーしたらそんなこと、すらすらと言えるんですか?」
そう言いながら、ちょうどレジに誰もいなかったので、移動する。
「わ!凪砂ちゃんがレジやってくれるの〜?」
犬っころみたいについてくる。
さっき、眼鏡をかけていた時の彼とは大違いだ。
「コーヒーおひとつで、180円です」
はい、とすでに準備してあったのか、お釣りなくちょうどを出して来た。
「じゃ、また後でね?」
にこっと、微笑んで去っていく。
一瞬犬にも見えたのに、去り様はあっさりと綺麗で。
やっぱり、掴めない。
…そう思った。
「わ〜、なんかなんでも様になっちゃう人だねぇ」
どっから湧いてきたのか、あたしの隣にいた聖花。
「謎くない?何考えてるか全然わからないし」