my First boy last boy.






「ほんとありがとな。まぢ助かった」



春は、ふぅーっと手に持ったコーヒーに吹きかけながらいう。




こたつの中は、この季節、本当に幸せだ。



さっきの寒さから解放され、徐々に暖かさに包まれていくこの部屋。




ふう…、と自分もマグカップを両手に持ちながら温まる。はあー、あったかい。




しかし、こう見ると、いつもは見慣れた部屋だけど。


春がいるだけで、どこか違和感。



まるで別の部屋にいるみたい。


1LDK。一人暮らしには、充分な広さだ。






あたしたちの間には、小さな、沈黙が流れて。



別にそれでもよかったんだけど…何となく。






「…そういえば、けいくんとはあれからずっと連絡取ってたの?」



あの日、ひとりで行ってしまったときから。






…ずっと、気になっていたから。





< 417 / 469 >

この作品をシェア

pagetop