my First boy last boy.
「ほんとありがとな。まぢ助かった」
春は、ふぅーっと手に持ったコーヒーに吹きかけながらいう。
こたつの中は、この季節、本当に幸せだ。
さっきの寒さから解放され、徐々に暖かさに包まれていくこの部屋。
ふう…、と自分もマグカップを両手に持ちながら温まる。はあー、あったかい。
しかし、こう見ると、いつもは見慣れた部屋だけど。
春がいるだけで、どこか違和感。
まるで別の部屋にいるみたい。
1LDK。一人暮らしには、充分な広さだ。
あたしたちの間には、小さな、沈黙が流れて。
別にそれでもよかったんだけど…何となく。
「…そういえば、けいくんとはあれからずっと連絡取ってたの?」
あの日、ひとりで行ってしまったときから。
…ずっと、気になっていたから。