my First boy last boy.




「ねぇ~どっか食べ行こうよ~!」


「そう言ってって、また奢らせる気でしょ。」


「えへへ」


笑って誤魔化しちゃって、まったく。




「雨が止んだんなら、俺は帰るわ。ほんと助かった。サンキューな」


そう言って、春は立ち上がったけど。




「え~!春さん帰っちゃうの?一緒にご飯食べに行こーよ!」



花梨は春の腕にしがみついて、がっちり引き留める。


「花梨ごめん、明日仕事だからさ」


春は花梨の頭を撫でて宥めようとするんだけど。



「春さん、久々に会えたんだしもっと話したいよぉ。お願い!」



懇願する花梨に負けたみたい。

しょうがないなぁ、ってくすっと笑って優しい目をした。








なんでかな。



可愛く甘えることが、妹はこんなにも自然に出来るのに。


どうしてあたしは昔からできなかったのかな。




…もしかしたら、生まれるときにお母さんのお腹の中に置いて来ちゃったのかもしれない。







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