my First boy last boy.







…あたしには、関係ないけど。





「んじゃ、会計してくる」


春が席を立つと、あたしトイレ行ってくる!と、花梨は走っていってしまった。


残されたあたしは、なんだか気まずい。




そんなあたしに見向きもしないで春はレジへと歩いて行ってしまうので。


慌てて追い掛けて、


「…花梨とあたしの分、いくら?」


言い方が、なんとなく冷たくなってしまった気がする。






「いいよ、こんくらい」


「いい。自分の分は自分で払うから」


「今日雨宿りさせて貰ったし、奢るって」


「でも!」


ペチッ、て。痛くないけど、頭に何かぶつかって。



「ばーか。さっき言ったろ?学生とは違ぇーの、稼いでる額が。だから安心しろ」


………それあたしじゃなくて、花梨に言ったんじゃん。



あたしは、春に伝票で叩かれた頭を痛くもないのに押さえながら、口はへの字になっていたと思う。









悔しかったんだ。



同い年なのに、妙に大人ぶった春が。






本当に、大人に見えたから。






< 439 / 469 >

この作品をシェア

pagetop