my First boy last boy.
初恋の残像
―――…高嶋秋一。
近所に住んでいた、3歳上のお兄ちゃん。
かっこよくて、優しくて、王子様みたいで…。
小さい頃はいつも秋ちゃんに引っ付いてた。
大好きで、大好きで。
あたしの……初恋の人。
そして、長い間片思いし続けてた人。
だから、君と出会ったあの時も、あたしはまだ秋ちゃんに恋をしていた――…。
「秋ちゃんおはよう!」
「凪砂、おはよう」
秋ちゃんが大学生になってから忙しいのか、めっきり会えなくなって。
あたしはこうして時々、朝早起きをして…玄関のドアに張り付きながら、秋ちゃんを待ち伏せしていた。
優しく頭を撫でてくれた。優しい笑顔、温かい手。全部、全部、大好きだった。
こんなちょっとでも…会えるだけで、その日の気分は全然違ったんだ。