my First boy last boy.





「ごめ~ん、お待たせ!春さん、奢ってくれてありがとねっ♪」





…………そういえば、あたし春にお礼言ってない。


だけど今更、言うのもなんか。上手くタイミングも掴めないし。



――――っていうのは、全部言い訳だ。





「はいはい。最初っからそのつもりだろ?」


「えへへっ」




素直で無邪気な花梨が、可愛くて眩しい。






あたしはいつからこんなに素直じゃなくなった?


あたしはいつからこんなに不細工になった?



大人になってから?それとも、産まれた
ときから?





……………わからないや。






「おねぇちゃんは、これから彼氏が迎えにくるんでしょ?」


「えっ?」


「春さんが言ってたよ?

あーあ。せっかく今日泊まってこーと思ってたのになぁ。ま、また今度でいっか」



辺りを見渡せば、いつのまにか春の姿はない。帰ったのに気付かなかった。




「…おねぇちゃん?聞いてる?」


「あ、うん…」



「もう、絶対聞いてなかったでしょぉ?」


「聞いてたってば…」


「じゃあなんて言ったか言ってみてよ?」




「……………ごめん、やっぱ聞いてなかった」


「ほらぁー!」



ぷんぷん、て表現がぴったりな顔をしている花梨を、ごめんごめん、と言って宥める。




「…だからね?」


「うんうん」



「いつ、家に来るの?」



なんか見透かされてるみたいだ、と思って笑いさえ込み上げてくる。



「えっと、ね」


いつかな。海斗に言えば、すぐにでも行く!って言いそうだけど。

仕事も忙しいだろうからなぁ。



「3ヶ月以内、とか」


「ふーん」


聞いた割りには、反応が薄い花梨。







< 442 / 469 >

この作品をシェア

pagetop