my First boy last boy.
「ごめ~ん、お待たせ!春さん、奢ってくれてありがとねっ♪」
…………そういえば、あたし春にお礼言ってない。
だけど今更、言うのもなんか。上手くタイミングも掴めないし。
――――っていうのは、全部言い訳だ。
「はいはい。最初っからそのつもりだろ?」
「えへへっ」
素直で無邪気な花梨が、可愛くて眩しい。
あたしはいつからこんなに素直じゃなくなった?
あたしはいつからこんなに不細工になった?
大人になってから?それとも、産まれた
ときから?
……………わからないや。
「おねぇちゃんは、これから彼氏が迎えにくるんでしょ?」
「えっ?」
「春さんが言ってたよ?
あーあ。せっかく今日泊まってこーと思ってたのになぁ。ま、また今度でいっか」
辺りを見渡せば、いつのまにか春の姿はない。帰ったのに気付かなかった。
「…おねぇちゃん?聞いてる?」
「あ、うん…」
「もう、絶対聞いてなかったでしょぉ?」
「聞いてたってば…」
「じゃあなんて言ったか言ってみてよ?」
「……………ごめん、やっぱ聞いてなかった」
「ほらぁー!」
ぷんぷん、て表現がぴったりな顔をしている花梨を、ごめんごめん、と言って宥める。
「…だからね?」
「うんうん」
「いつ、家に来るの?」
なんか見透かされてるみたいだ、と思って笑いさえ込み上げてくる。
「えっと、ね」
いつかな。海斗に言えば、すぐにでも行く!って言いそうだけど。
仕事も忙しいだろうからなぁ。
「3ヶ月以内、とか」
「ふーん」
聞いた割りには、反応が薄い花梨。