my First boy last boy.

あと10歩






「…最近、秋一に馬鹿にされんだよ」


「秋ちゃんに?」



あたしが知っている秋ちゃんは、どんなときでもすごく優しい。だから、そんな秋ちゃんが人を馬鹿にしているところがいまいち想像出来ない。





「ああ。お前は中坊かよって」


「中坊?」


「そっ。凪砂といると、理性が効かないから」


そんなことをさらっと言われると、こっちが恥ずかしくなる。



「あいつ、キモいキモいばっかいいやがって。ほんと先輩を敬えよなぁ」


「秋ちゃんってそんなこと言うの?」



意外すぎて、びっくり。

あの優しくていつも笑顔の秋ちゃんが、一体どんな顔して言うのだろう。




「いいか?凪砂。あいつはお前の前じゃ好い人面してっけど、騙されちゃいけないぞ?すげー、腹黒いから」




秋ちゃんが腹黒い…………?


やっぱり想像できなかった。




あんなに近くにいて、ましてや好きだったくせに、大して秋ちゃんのことを知らなかったんだなと、ちょっとショックだ。






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