my First boy last boy.
「…凪砂、」
「んー?」
「…お前やっぱ、ずるい。」
え、と顔をあげれば、眉を寄せて不機嫌そうな顔をしている。
急にどうしたんだろう、と首をかしげていたら、
熱くて大きなものに、包まれた。
「そんなこと言われたら、帰したくなくなるじゃん」
もうあたしの家は目の前で―――――あと10歩の距離。
それなのに、そんなことを言い出す海斗が愛しくて仕方ない。
そんなあたしを知ってか知らずか、あたしの肩に顔を埋めて、囁くようにわかってるの?なんて、恨めしげに聞いてくる。
わかってるの?なんて、わかるわけないじゃん。
最初に言ってきたのは、海斗だよ?
「あー、また秋一に馬鹿にされる…」
そういうわりに、あたしを抱き締める腕の力は、更に強くなって。
嬉しそうに、笑っていた。