my First boy last boy.
「凪砂、今日バイトは?」
「ないけど…」
「明日は?朝からだっけ?」
「んーん、とってない」
「………じゃあ決まりね。」
え?
いつの間に食べ終わったのか、割り箸とレンゲを置いていて。邪魔で束ねていた髪をほどいている。
そんな姿をぼけっと見つめながら。
一体、何がたった今決められたんだろうか?
「呑み行くわよ」
そう言って微笑んだ表情が、綺麗だな、と思った。
「…うん。」
優しい、舞。
さばさばしているけど、こういうとこ、見捨てないでくれる。
「酒のんで、忘れちゃえばいいわ」
嫌なことを忘れられる術がある大人は、幸せだな、と思った。