my First boy last boy.
2人で来たのは、大衆居酒屋。
普段はあまり好まないけど…。
こういうときは、周りがうるさい方が、気が楽だ。
「あたし、生」
綺麗な見た目をしているくせに舞は結構男っぽい。…いや、おっさん臭いとも言うけれど。
とにかく、生ビールをこよなく愛す女なのだ。
「…カシオレで」
それに比べ、あまり強いわけではないあたしは、最初は控えめに。って思ったんだけど………
「ばか。そんなんじゃ酔えないでしょ~?」
と、舞にあっさりと生二つに変えられた。
………やばい、完全にあたしを潰す気だ。
多少、不安を覚えたけれど。
あたしの為だとわかっているから、素直に従う。
それに、酔ってしまいたい、自分もいた。
さすがチェーン店、とばかりにすぐに出てきた生2つを一人ずつ持って。
「乾杯」の声と、
ジョッキの合わさった時の鈍い音が響いた。