my First boy last boy.
「あ、ちょっと!」
なんで避けんのよ!と言う気持ちまで伝わったのか、
「だって凪砂ちゃん、本気で痛そうなんだもん」
あー恐かったとオーバーリアクションで、あたしの顔を真似してくる。
「そんなことないし」
そんな子供じみた彼を内心、少し可愛いと思ってしまった自分がいる。
しかし、表情には出そうとは思わない。
「ね!見てよ!」
え?と彼が目を向ける場所を追うように、あたしもそこに目を向けた。
…海……。
チクリと、胸が痛んだ気がした。
それは過去の記憶から来たもの…。
複雑な想いで海を見つめるあたしと彼との間には沈黙が出来ていたはずだ。
彼が心配そうに覗き込んで来て、ハッと我に帰った。