my First boy last boy.
「…もしかして嫌いだった?」
初めてみる、彼の不安そうな顔。
得意のポーカーフェイスは、そこにはなかった。
ふるふると、ゆっくり左右に振る。
嫌い、ではない。
ただ、思い出すだけ…。
たまらない想いを。
あたしは昔、大切なものを守ろうとして、1番大事なものを無くした。
それに気付いた時はもう遅くて…。
もう、戻れなくなっていた。
「…そっか。嫌いだったらちょっと悲しかったから、良かった!」
どうして…?
静かに尋ねると彼はあたしの目を見ながら穏やかに笑った。