my First boy last boy.
「俺の名前は?」
「え…海斗…あ!」
名前が“海”だから……。
「正解!」
にっこりと嬉しそうに笑う。
その笑顔に釣られて笑うと、その彼の向こう側には、オレンジ色の光が射し始めていた。
「よっしゃ!
グッドタイミングじゃんっ」
彼のグッドタイミングはやけに発音が綺麗だった。
そして、夕日の日の入りも…とても綺麗だった。
あたしの視界すべてが、オレンジ色に染められていって。
それが不思議で、不思議で。
こんなにも、温かい気持ちになるのか。
こんなにも、優しい世界があるのか、と。
無性に泣きたくなった。
すると、そっと…手に暖かな温もりを感じた。この色と同じ、優しい温度。
少しだけ、涙が落ちそうになった。