my First boy last boy.
しばらく経つと、それは真っ暗闇に染められていった。
しかし不思議と、寂しくはなかった。
…手の中には、まだ優しい温度があったから。
「…ありがとう」
ここに
連れて来てくれて…。
自然と、口から零れ落ちた。
「どういたしまして」
勝ち誇ったような、笑みを浮かべる彼。
…ちょっと悔しくなった。
「今はやけに素直だね」
あたしたちは砂浜を歩きながら会話をする。…手は、繋いだままで。
「あたしはいつも素直ですけど?」
「はは、そうだった?」
笑いながら軽く受け流してくれる。
その距離がちょうど良かった。