my First boy last boy.
運命のカミ
「ここでいいよ」
家のすぐ近くまでで、足を止めた。
「大丈夫?」
家を知られたくないわけじゃないけど…なんだか知られるのが、少し怖くもある。
けして、彼が変な人と思っているわけではないけれど。
「うん」
「そっか」
ゆっくり手を離した。
彼は突飛で強引なくせに、引き際は結構さっぱりとしている。
そういうところが、大人だと思う。
「楽しかった、ありがとう」
「…それならよかった」
と、頭を撫でられる。
優しく、優しく。
包まれるような、心地と笑顔。
温かくて…どこか懐かしい。