my First boy last boy.
頭にあった手を、今度はあたしの肩にやって、くるりと反転させられる。
え、と思って振り返った。
「俺は凪砂ちゃんが無事に帰るのを見送ってから♪」
そこでずっと突っ立っている。
どうやらそこは譲らないらしい。
「…じゃあ、バイバイ」
あたしは歩き出す。
すると、あ!といって彼はあたしに駆け寄ってくる。
なに?と思っているあたしを置いて、気付いたら額にキスを落とされていて…。
「また、会おうね」
暗くて顔はよく見えない。
けれど多分、彼はあの得意の自信ありげに笑っていただろう。
…手に収められた四つ折の紙切れは、拳にした手の中で異様な感触がしていた。