my First boy last boy.





きのせい、だよね?

第一、けーくんがそんな顔をする、意味がわからない。





「あ。あたし、ちょっとトイレ行ってくる!」



そういって席を立ち上がる聖花。

タイミングがいいんだか、悪いんだか…。



けど、今はなんとなく行かないで欲しかった。




聖花がトイレに立ってしまってから、少し沈黙が続いた。





「…あのさ」


それを言いづらそうに破ったのは、けーくん。




「あいつのこと…まだ好き?」




あいつ…春…。


あの日からだれも、触れようとしなかった言葉。



みんな、あたしに気を遣ってくれて…誰もはっきり聞いてこなかった。





「……………」


あたしは答えることが出来なかった。

うん、とも。違う、とも。


ただ、俯いてしまった。





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