my First boy last boy.
雨のあの日
――――
――――――…
ぽつり、ぽつり。
雨が窓に張り付いていく。
あの日のように…。
秋ちゃんに会いたくて。
帰りを待ち伏せした。
そんな駅の中で。
秋ちゃんまだかな…。
ワクワクしながら、ドキドキしながら、待っていた。
そしてあたしは知った。
「――…………」
秋ちゃんに恋人がいたこと。
その見たこともないような、優しい眼差しが、あたしの知らない人の為にあったこと。
少し考えれば、わかったことなのに。
秋ちゃんはカッコイイし、優しいから、恋人がいないはずないのに。
真っ直ぐ自分の気持ちにばかり、突き進んでいた。
あたしが1番彼を知っていると、勘違いしていた。
あたしはなにも…知らなかった。