my First boy last boy.
「ほんと、君がいなかったらどうしようかと思ったよ。断り切れなくて、ただ人数合わせのつもりで来ただけなのにさ」
困ったように首をすくめる。
同じ奴もいるんだなぁ、とぼんやり彼を見つめた。
どことなく、女慣れしていて、女には不自由していなさそうだな、と思った。
自分に自信がありそうで…。
あまり、好きなタイプではない。
「…あたしこそ、助かりました」
だけど、多少強引ではあったが助かったことに変わりはない。
礼儀だ、と頭を下げる。
「いやいやそんな別にいいって!」
「あたしも人数合わせで来ただけなんで。すごい困ってたので」
“助かりました”
そう言おうとしたら、
「へぇ〜。同じ理由で、同じ場所にいて、ナンパされるし、ハモるし…これってなんか、運命感じない?」
そんな陽気な彼の声が、覆いかぶさった。