my First boy last boy.
似た者同士
寒い真冬に顔を出す太陽は、すごくありがたい。優しく、微笑んでくれているようで…。
久しぶりに、世界が明るい。
きっと、連日の雨のおかげ。
カラッと晴れた空は、湿気を少し含んだ生暖かい風を運んでくる。
少しずつ。
春が、近づいてくる。
コトッ、と彼がカップを置く音も、聞き慣れた。
いつのまにか凪砂になっていたのも、すんなり染み込んでいく。
初めてここに来た時に思ったように、コーヒーの香りのような人。
この光景も、当たり前になっている。
「…だから、さすがに来過ぎでしょ。仕事ちゃんとやってるの?しゃちょーなんでしょ?」
しゃちょーとひらがなで言ったのは、ちょっとした嫌味。
でも彼には、全然通じないらしい…。