加納欄のお化け屋敷 シリーズ11
また、バチンと音がした。

電気がついて、明るくなった。

明るくなっても、わかってなかった。

高遠先輩も、抱き締めたままだった。

「やっと、明るくなったわねぇ。さっきの、なんだったの?大山さん、早く、早く」

祥子先輩の声が、聞こえた。

「何してんのよ。大山さん早……く……」

そう言って、祥子先輩は、立ち止まった。

「あぶねっ。止まんなよ祥子……!」

大山先輩も、立ち止まった。

あたしと、高遠先輩の光景を見て、言葉をなくしていた。

「高遠せんぱぁい……うぐっ(:_;)」

「大丈夫だよ。いてやるから」

あたしは、無言で頷いた。

あたしは、少し落ち着きを取り戻し、高遠先輩の顔を見た。

「大丈夫か?」

あたしは、高遠先輩を見つめたまま、無言で頷いた。

そして、視線を感じ、横を向いた。

無言の、祥子先輩と、大山先輩が、立っていた。

あたしは、慌てて、高遠先輩から、離れた。

「おい、大丈夫なのか?」

「はいっ!もぉっ!全然っ!あ、祥子先輩」

祥子先輩は、黙って、あたしの前を通り過ぎて行った。


??????


あたしも、早く行かなきゃ。


あたしも、無言で先に進もうとした。

「欄、お前、外で事情聴取」

高遠先輩に、言われた。

「…………ハイ。すみません」


そりゃそうだよね(__)


これだけ迷惑かけちゃあ(-.-;)


あたしは、大山先輩の顔を見ないように、足早に外へ出た。

太陽の光と、風が、生き返らせてくれた。


暗闇の中で音が聞こえた。


あれは……。


幽霊?


でも、幽霊は、音もなく、近づいてくるし……。


ガサって(>_<)


考えても、わからなくなることばかりだった。

「加納さん」

制服警官に、呼ばれた。

「どうしました?」

「こちらに来てもらっても、いいですか?」

あたしは、呼ばれた場所へ、小走りで行った。

「さっきの停電、人為的ですかね」

「どうしたんですか?」

「配電盤の鍵が壊されてるんです」


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