加納欄のお化け屋敷 シリーズ11
配電盤の鍵穴は、鍵が入らないように、何かが、詰め込まれていた。

「うん……。ここ最近の状態を聞いておいて」

「わかりました」

制服警官は、指示されて、アトラクションの係員のところへ行こうとして、足を止めた。

「あ、加納さんって、暗闇嫌いなんですね」

「え?なんで?」

「悲鳴あげてパニクってたじゃないですか……声が、響いてましたよ」

「……外まで?」

「えぇ、はっきりと」

「ヤダッ!恥ずかしいっ!」

「恥ずかしがることなんて、ありませんよ。何かあったら、言ってください」

「ありがとう」

あたしは、そう言って、事情聴取にとりかかった。

事情聴取は、何の手掛かりもなかった。

「参ったなぁ」


大山先輩、誤解したかな……。


高遠先輩から、慌てて離れたし、恥ずかしくて、大山先輩が、見れなかった。


「参ったなぁ」

あたしは、2度呟き、ため息をついた。

高遠先輩達が、中から出てきた。

「お疲れ様です。何か、わかりました?」

「いや、とりあえず、苫利についてろ」

「……はい」

あたしは、高遠先輩に会釈し、大山先輩を探した。

「仁なら署に連絡しに行ってるよ」

「な、何いってるんですか?」

「何を言ってるだぁ?お前の目線が探してるだろ?さっきの事を言い訳したいのか?」

「…………」


いじわるぅ~(>_<)


「まぁ……その……」

「気にしてねぇよ。あいつは」

「……わかってます」


あたしのことなんて、何とも思ってないもんね。


わかってるよ、それくらい。


あ~あ。


あたしは、高遠先輩に、ズバリ言われてバツが悪くなり、歩き出した。

「加納さん」

さっきの、制服警官が呼び止めた。

「何か、わかりました?」

「はい」

「報告聞きます」

「その前に、来ていただきたい所があるんですけど」

「どこですか?」

「すぐそこです」

そう言って、制服警官は、あたしを、ミラーハウスのアトラクションへ、連れて行った。

「ミラーハウスが、どうかしたんですか?」



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