加納欄のお化け屋敷 シリーズ11
「スタッフの1人が、ミラーハウスに、血痕らしきものがついてる。と、連絡があったんです」


血痕?


「確認は?」

「しました。人型のような感じで」


犯人の……?


あたしは、ミラーハウスの中へ入って行った。

全部が、鏡張りになっている建物は、あたしを360度写し出した。

「どこですか?」

あたしは、制服警官に聞いた。

「あ、もう少し奥です。私は、鑑識呼んできます」

「お願いします」

制服警官は、そのまま外へ出て行った。

あたしは、ミラーに手をつきながら、先へ進んだ。

「血はどこよぉ(-.-;)」

何度かミラーにぶつかった。

けっこう進んだのか、よくわからなかった。

通常の歩幅よりはかなり短縮されてはいたが。

まだ、血痕らしきものは、なかった。

「もう少し奥かな。見逃してたら、最悪」

突然真っ暗になった。


ナニッ?!


動かないほうが、無難?


「加納さぁん!大丈夫ですかぁ!」

制服警官の声が、聞こえた。

「すぐに、行きますからね!落ち着いて待ってて下さいね!……うわぁっ!!やめろっっ!!!」

制服警官の、叫び声が聞こえた。

「大丈夫!?」

あたしは、暗闇を走った。

「加納……さん。気を、つけて……」

近くで、唸り声が聞こえた。

「大丈夫ですか?」

そう言った瞬間に、背後から殺気を感じた。

あたしは、右に交わしながら、振り向いた。


く、暗くて見えん(-.-;)


「誰?」

いちお、声をかけてみた。

返事がない変わりに、左側で、ブンッという音が聞こえた。


左かぁ(-.-)


あたしは、ポケットから、ケータイを取り出し、胸の辺りで一瞬光を発光させた。

その光目掛けて、何かが動いた。

あたしは、片膝をつき、相手のみぞおちに1発入れた。


ガシャーン!!!


あたしの後ろの鏡が、激しい音を立てて降ってきた。

ドサッと、倒れる音がした。

「イ、イタイ」

頭やら首やらに、破片が振りかぶってきた。

暗いために、倒れている者を無理矢理引きずることも出来なかった。


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